一級建築士試験問題を1問解説してみました☺

機械設備
2024/08/09

こんにちは、エイト設計です。

エイト設計では資格取得に向け、社員一丸となって取り組んでいます!
ということで、今回は趣向を変えて7月28日に実施された「令和6年度一級建築士試験」のひとつめである「学科の試験」の中でも難易度が高いと思われる1問(機械設備分が絡む部分だけ!)を解説しよう!という、設備設計事務所だからできる偏った企画を考えました💡
(学科Ⅰは難易度高く大変でしたね…)

※正式な問題・正答については9月4日に試験元HPに公表予定とのことなのでご確認ください

●学科Ⅰ【No.6】…建築物の長期利用に関する出題でした。
回答となる各選択肢のキーワードとしては、1)さや管ヘッダー工法の点検方法、2)BCPの策定による事業拠点の分散化、3)集合住宅における点検方法、4)耐震改修の調査方法、でした。

不適当なものとしての選択肢は「特殊継手排水システムを採用したので排水管、パイプシャフトは専有部から点検する」と記載のあった選択肢でした。

不適当な選択肢について詳しく解説すると、特殊継手排水は継手部に羽根がついており螺旋形に排水が流下するため下階にスムーズに排水でき、最下階は脚部継手とセットで使用されるというシステム化された排水方式です。最近は特に北海道内の公営住宅で汚水・雑排水を立管で合流させ公共下水に流すことが多くなり、特殊集合継手を使用するケースが大半となっています(主に中高層に使用)。メリットとしては立管の本数が減る為イニシャルコスト、配管洗浄などランニングコスト減が見込めます。

と、ここまでは長期利用に適当な回答でしたが、後半の「専有部」が不適当となります。

「専有部」とは公営住宅等においては住戸部分を示しており、廊下等は共有部となります。配管更新を行う時やメンテナンスでの配管洗浄等の際に住んでいる家の中に入って工事をされるのは心理的にも負担がかかってしまいますし、排水管の異常等をすぐに察知することもできません😟

反対に廊下である共用部から更新・メンテナンスができると入居者負担、さらには施工業者の負担が減るというメリットがあるため、共用部にPS扉をつけるのが主流となります。
PS内には給水管、排水管、雨水管、ガス管が入ることが多く、管材によって更新年数は変わりますが概ね同じ時期に更新するため、共用部で更新できる計画とする提案を設備設計事務所は必ず行います!

設備事務所ならではの視点からの好き勝手な解説ではありましたが、お役に立つことができれば、興味を持っていただければ嬉しいです!

エイト設計では地方自治体の公営住宅、官庁の官舎・宿舎等多く設計を行っております。地域性に合わせた最適なご提案をさせていただきますのでぜひご相談ください。